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IoTは地方創成の魔法の杖になんかならない

島根県益田市で、地元の半導体製造業シマネ益田電子(SME)が中心となって益田市をスマートシティ規格のテストベッドにしようというプロジェクト「IoT益田同盟」について、WirelessWire Newsに書きました。SMEの平谷副社長、益田市の山本市長、仕掛け人のアーキテクトグランドデザイン(AGD)豊崎氏にインタビューしたものです。

地元主導のテストベッドでスマートシティ規格『共築』目指す 始動したIoT益田同盟 (WirelessWire News)

ネットワークは、インテリジェントなセンサーノードをメッシュネットワークで結んで面を覆い、LPWA+FTTHでデータを吸い上げるというモデルで、とても理にかなっています。LPWAはAGD開発の独自規格だそうですがそれをスマートシティの標準規格にしようという強気なプロジェクト。レイヤー2の規格から作ってしまうというのは無線デバイス開発製造技術を持ってるSMEが中心の座組みだからできるので、なかなか他では真似できないのではないでしょうか。

記事中で紹介している最初の実証実験は水路の水位計測です。センサーはオムロンの環境センサーの機能限定版です。製品版の環境センサーの通信モジュールはBLEですが、益田で使用しているものはAGDのLPWAモジュールを組み込んでパッケージしてあるそうです。記事中では触れませんでしたが、平谷氏によると、この後SMEの自社工場をスマートファクトリ化する構想もあるとのことでした。

山本市長は「テストベッドに人が来る」ことへの期待を語っておられましたが、伊那市のLoraWANハッカソン主催者のいなあいネット事務局長の小牧氏も同じことを言ってました。ここはウフルが事務局として支援しています。

経産省の「地方版IoT推進ラボ」の第3弾21地域が先日発表になりましたが、ほんとにこの施策有効性があるんだろうかと思っています。それぞれの地域にある課題を解決するだけでなくそれを地域外へと展開できなくては、地滑り的な衰退を食い止めることはできても地域振興や経済効果にはつながりにくいでしょう。また地域課題といっても困っていることは皆それほど大差あるわけではありません。なまじそれぞれの地域がバラバラにアプリケーション開発に取り組むのでは、車輪の再発明を全国各地で繰り返して疲弊しそうです。そう考えると、IoTで地域振興が可能になる場所は本当に限られてくるように思います。

  • 地元の中心となって動くプレイヤーがいること
  • 柔軟に外部の力を借りて、外から持ち込んだ知恵や技術を地元の課題とミックスした上でテンプレートとして他地域でも展開できること

この2つを満たせないで漠然とプロジェクトを起こして何かを作ろうとしても、怪しいコンサルタントにお金を巻き上げられて終わりになりそうな気がします。だからといって何もしなければ座して死を待つことになっちゃうのが悩ましいところで、ベストプラクティスが出揃うまでの間、データを貯めることに徹したほうが良いのかもしれません。

以下は地方版IoT推進ラボに選ばれた地域のリストです。経産省のサイトの中に一覧になっているページがどこにもない…プロットした日本地図ぐらいあってもよさそうなもんですけどね。

第3弾:21地域
北海道猿払村/秋田横連携(横手市、大仙市、五城目町、東成瀬村)/山形県/群馬県/山梨県/東京都大田区/新潟県長岡市/長野県川上村/静岡県藤枝市/石川県かほく市/岐阜県郡上市/岐阜県各務原市/愛知県幸田町/福井県永平寺町/奈良県明日香村/兵庫県淡路市/岡山県/岡山県瀬戸内市/鳥取県/徳島県美波町/長崎県南島原市

第2弾:24地域
北海道函館市/宮城県仙台市/秋田県仙北市/埼玉県/千葉県/神奈川県/神奈川県横浜市/神奈川県相模原市/神奈川県横須賀市/神奈川県湘南地域(藤沢市・茅ヶ崎市・寒川町)/新潟県/石川県白山市/福井県鯖江市/愛知県名古屋市/愛知県豊田市/滋賀県/大阪府/山口県/福岡県嘉飯桂地域(飯塚市・嘉麻市・桂川町)/佐賀県/長崎県/長崎県長崎市/大分県/宮崎県

第1弾:29地域
北海道札幌市/北海道釧路市/北海道士幌町/宮城県/福島県会津若松市/茨城県/富山県/石川県/石川県加賀市/福井県/長野県伊那市/岐阜県/静岡県/愛知県/三重県/京都府京都市/大阪府大阪市/兵庫県神戸市/奈良県/和歌山県/島根県/広島県/高知県/福岡県/福岡県北九州市/福岡県福岡市/熊本県/鹿児島県/沖縄県

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Hello world!

思うところがあり、10年以上寝かせていたorgannova.jpドメインをactivateしました。初心に戻って、「人と組織と社会の関係を創造的に破壊し、再構築する」ヒト・モノ・コトをつなぎ、応援する場を作りたいと思います。

Organnova=Organization * Innovation

私にできることは現場に行き、人に会い、文章を書くことです。まずは、私が気になる、紹介したいと思うヒト・モノ・コトについて、書きたいように書きます。もしかしたら仲間も募るかも。

Organnovaは、書くことで、世界中のハッピーの総量を増やすことに貢献します。

以上、mission statement として、ここに。

2017年8月10日 Asako Itagaki